そおっとつまんで渡す夏

N市花火大会の2日目は、天候にも恵まれ、スバラシかったそうである。カンドー。目をつぶり、心の空に見る花火(また俳句みたいな)。ああ、遠くにいても、大花火大会が終わると、なんとなく夏の8割くらいが終わっちゃったような祭りの後の気分になっちゃうなあ。これはN市市民の市民病みたいなもんである。一年を2日で暮らすN市民(また五・七・五!)。今日のV市は祝日。BCデーという名前の祝日なのだが、BCってのは州の名前なので、州の祝日。日本で言えば、県の祝日があるようなもんである。それって変だな。変だよね。

そんなV市も今日は、数日前までのどうにもならないような暑さは落ち着いて、単なる暑い夏の日。UVの↓は尚も降りまくるのであるが。

と、隣国A国のTV番組を見ていたら、「ビタミンD不足で、体調が悪くなる人が増えている」という話をしている。ビタミンDというのは、ホルモンみたいなもんで、人体の機能に欠かせないんだけど、食べ物から全てを摂取するのが難しいんだとかなんとか、女の人が喋っている。で、皮下脂肪が紫外線に当たるとビタミンDができるんだそうである。TVの報告では、最近ビタミンD不足の人が増えているのは、日焼け止めが普及していることと関係アリなんだとさ。ほえ〜。やっぱりこっちの人も日焼け止めはバッチリ塗ってたんだなぁ。上半身裸で走る男なんかも、分厚いUVクリームの膜で覆われているに違いない。あれだけ露出しといてビタミンD欠乏ってのもすごいな。日焼け止め恐るべし。

UVは怖し、ビタミンDは摂りたし。なかなか難しいところだな、これは。なんでも、ビタミンDの十分な摂取のためには15分くらい日光に当たればOKらしいので、おすすめします日焼け止めなしの15分。お肌が...シミが...ソバカスが...と乙女は日焼け止めナシと聞いただけでオロオロするであろうが、ビタミンDが欠乏すると、骨粗鬆症や高血圧、糖尿病を初めとするいろんな病を引き起こしちゃうのですぞ。乙女と言えど、適当に軽く浴びましょう太陽の矢→↓→。もちろんこんがり焼くところまで浴びる必要はなしだそうです。

本日も、ワーホリのM嬢らに英語伝授。M嬢は少しずつ、英語のノリに慣れて来た様子。よしっ。なんだかな、この感じ。このノリ。夏休み学習塾? 熱いぜ!

人に何かを伝授するなんてことは、日本を離れた頃には思いも寄らなかったけれど、日本を離れてXX年。なんだかあちこち遠回りしたり、蹴つまずいたりしながら必死に歩き回っているうちに、ハタと気づけば、おお何か手に握っているではないか。これって「わらしべ」? などと、なんかどっかでこんな話を聞いた事があったよなあ、などと思いながら、それをやったりとったり、とっかえたり、また返って来たり、あっちゃこっちゃやってるうちに、いつの間にかちょっとだけ伝授できそうなものが掌の上に乗っていた。その一つが英語。アカデミックな英語じゃなくて、汗まみれの英語ではあるけれど。これが誰かの役にちょっとでも立つのなら嬉しい。じっと掌を見て、その上に乗っているチラチラしたものをつまんで、そっとM嬢に渡す。それは草花の種のようなものなので、まだ形ははっきりしておらず、いかなる花が咲くのかも不明。その花は、咲く時には彼女の中に、彼女だけの色で咲く。水やり忘れないでね! きれいな花を咲かせてね! そんなことを願いながら、今日もまた、チラチラしたものをそおっとつまんで、まっすぐに受け渡す。

7時40分。これからV市のイギリス海岸まで散歩予定。夕陽を目指して夕涼みウォーキング。もう日は一日一日短くなりつつある。V市の夏は短い。一分一秒を思いっきり吸い込まねば。一歩一歩毎日を楽しまなくっちゃね。なんってブツブツ言いながら、今日もまたイギリス海岸近くのシュークリームやでシュークリームなど買い食いしてしまうことでしょう。なんのこっちゃ、夏ってのは、そういうものなのである。