別居していただきます!

今日も空間移動を繰り返す。朝カフェ午後図書館。今週は気温がかなり上がり、日中の日射しの中をゆくと、さすがに暑くて大量の発汗。しかもUV度がどうやらかなり高いV市。外に出る時には必ず日焼け止めを塗る。でも、歩いているうちに鼻の頭などから汗が噴き出して来て、日焼け止めがとろとろ流れてしまうので、どのくらい日除けの効果があるのかは不明。直射日光の→が痛い。なるべく早く日陰に入りたい...と、ついつい早足になるのだが、更に吹き出る汗。→→→が日焼け止めの流れ落ちた鼻の下や首筋を狙う。日本ならば、日傘部隊が街に繰り出すこの→の季節。しかし。V市に溢れるのはタンクトップガールズとトップレスボーイズ。この人々がUV対策をしているのかどうか、いちいち駆け寄って訊いてみたくなる。心配である。おねえちゃんらのむき出しになった肩に光線の→がズバズバ突き刺さって行くのを見ているだけで脳がUVにやられそうである。

この暑さのせいなのか、バルコニー菜園にはアブラムシが大量発生。自然界というのは、一体どういう仕組みになっているのだろうか。昨日いなかったものが突然いたり、昨日3匹だったものがいきなり100匹になっているというのは、一体どういうことなのだろう。私も近所の猫も寝静まっている夜中に何かが起こっているとしか思えない。トマトの成長もちょっと異常な程に速い。いつの間にか茎が伸びて葉っぱがにょきにょき出て来て、花芽がどんどん発生して、薄く黄色い花が星形にいくつもいくつも開いた。毎日朝晩、結構マニアックにじろじろと成長を観察しているつもりなのに、「気づかないうちに」デカくなるってのはどういうことなんだろうな。私が見ていない時を見計らって「にょき」をやっているとしか思えない。不思議だ。

ほんの数日前まで米粒くらいの莟がじっと身をちぢこめていたピーマンも、今朝見たら白い花をいくつも開かせていた。植物というのは、夜中に成長するのだろうか。人間も夜中に成長するのだろうか。謎だ。

そして、問題のミント。どんどん嵩が増して、もう最初の7-8倍くらいに膨れた。しかもどうやらこいつがいろんな虫を寄せ付ける元凶らしい。よく「ミントは虫除けになる」と言うけれど、あれはちょっと違うんじゃないだろうか。それともウチのミントは虫を寄せ付けやすい種類なのだろうか。葉の裏側にものすごく小さな青虫みたいなのが生まれてるのを見ちゃった朝もあったし、一番初めにアブラムシがついたのもミントの若芽。ちっちゃなバッタが一匹、ミントの茂みから現われたことすらあった。緑の葉影から緑の甲殻ボディがちらり。これは嬉しかったな。でもそいつは住み着かなかったらしく、その後姿を見ていない。そして!

ミントと同じ鉢に同居しているイタリアンパセリの元気がない。今朝見たら、アブラムシの恐るべきコロニーが葉の表裏に形成されていて、黄色く枯れちゃってる葉が数枚。このアブラムシ群がミントから引っ越しして来たヤツらであることはまず間違いない上に、どうやら根っこの方からもパセリはミントから攻撃を受けている模様。やはりこの同居にはピリオドを打たねばならぬようだ。空の植木鉢にパセリを引っ越しさせる事に決定。

同居というのは、植物でも難しいのだなあ。動物(人間)も同居ってのはなかなかどうして難しいものであるけれど。二つの異なる味わいと香り、異なる性格とエネルギーが一つの空間で住み分けするってのは、並大抵のことじゃない。このミントとパセリの関係のように、一方が他方のエネルギーを吸い取ってしまうような同居関係も世の中には結構ある。しかも、人間の場合は「あらら、アブラムシが移っちゃった」とか「葉っぱが黄色く枯れた」などというはっきりとしたインデックスがないので、同居がお互いにとってプラスであるのかどうかの見極めが難しい。

バルコニーで現在同居関係にあるのは、シャムクイーン、レモン、フィニッシモという三種のバジル達のみとなった。彼らはバジル仲間であるせいか、結構仲良く同居をやっているようである。人間は植物のようにある一点から動けないというものではないので、同居が快適でない場合、その空間からさっさと逃げる(どっかへ行っちゃう)という方法がある。しかし、そんな一見自由であるはずの人間の同居がやっぱり難しいのは、「ラブラブ!」であっても案外一方が他方にエネルギーを吸い取られていたりする事もあり、見極めが難しいという点。どちらもが、伸び伸びと葉を伸ばし実りへと向う同居が望ましいのだが、パセリとしてミントと同居しているつもりが、いつの間にか自分もミントになっていた(自己消滅)などというパターンもあるんだよね。いや、難しい。

さて、そろそろ日射しが柔らかくなってきた。

いやんいやん、私はミントと一緒がいいのとパセリが泣いても、別居作戦を決行せねばなりませぬ。いざっ!