第二フェーズの壁

今日はさすがに暑かった。日陰にいると暑くないけど、直射日光に当たると、じりじりと皮膚の表面がUVによって焦げる感触あり。サンスクリーン、サンスクリーーーン! と叫びながら日陰に避難したくなった。しかし、待ち行く人の露出度はどんどん高まってゆく。オネーチャンはほとんどタンクトップ系で肩から胸元から大胆に陽に晒してるし、上半身裸の男性も続出。仕事中のホームレスのおじさんもトップレス。サンスクリーンはちゃんと塗ってるのかしら、オネーチャン&オニーチャン。ホームレスのおじさんは完全に真っ赤っかになってます(アル中+日焼けか)が、意外に筋肉が引き締まってたりして、なんかともかく街中がビーチ化しております。

今週は諸事情で空間移動があまりできなかったので、なんとなく頭の中がごちゃごちゃしている。反省。時給を査定してから、ついつい「なんじかん、しごとしたかなー、うふふ」などという邪念に縛られて、思い切って休暇を取らなかったのも悪影響を及ぼした模様。そして、まあこういうフェーズが来ることは前から分かっていたのだが、いわゆる「クリエーションの第二フェーズ」に差し掛かっているのである。

「クリエーションの第二フェーズ」ってなんですか、ということになるが、この名称はまあ今適当につけただけなんだけど、そういう現象は何度もこれまで体験したことがある。0からクリエーションを始めると、大体初めの一週間か10日くらいって、気分もフレッシュだし、まだプロジェクトも最初の段階で勝手なアイディアをいくらでも出してもOKなので割とノリノリなのだが、それが2週間目から3週間目くらいに入った時に、なんか雰囲気がちょっと重苦しくなって来る。これがクリエーションの第二フェーズ。皆で集まって舞台作品を作ろうとしてる時なんかも同じ。これは必ず来る。何か急に重苦しい空気に包まれ、やる気が失せ、複数で仕事をしている場合には不満が噴出したり、喧嘩になったりもする。

いよいよ煮詰まって来るんだよね、それが第二フェーズ。第二フェーズこそが本当のクリエーションの入口、とも言えるんだな、たぶん。いよいよ産みの苦しみの第一陣がやってくる。あれじゃなくて、これ、という具合に選択していかなければならないストレス。第一フェーズで考えたアイディアが、実際にやってみると思っていたような具合にいかないという現実との遭遇。開始した物語が、どんどん意味不明なものへ、あるいはきわめてありがちな陳腐なものへ向って行っちゃうのをどうにもできない自分への嫌悪。第二フェーズの次には更に厳しい第三フェーズも待っているのだが、第二フェーズで萎えてしまうことは案外多い。

でも、これまでの経験として、第三フェーズの後に続く最終フェーズまで到達した場合、ものすごいご褒美が待っているということも知っているので、とにかくなんとしてでも第二フェーズをクリアして、次のフェーズに進むしかない。どんどんと産みの苦しみはその強さを増してはいくのだが、同時に少しずつ形になっていくもの、私が想像しなかったような方向へと自然に成長していくものを発見する楽しさもまた増して行く。予期しなかったものが生まれて来る時の方が面白くなることが多いので、第一フェーズでプランしたものを結局は全部捨てなきゃならないようなこともよくある。この苦しい楽しさ。これぞクリエーションの醍醐味。世界との四つ相撲。ここでリタイアしてどーする。

と、自分を励ますのみの第二フェーズ。今回はゆっくりと産むつもりなので、長丁場の楽し&苦しが続きそう。トマトはどんどん赤くなる。