ストレッチ宣言!

最近、といってももう半年くらい、なんとなく足が重いなあと思い続けていた。腰もなんとなく痛いし、首も回らないし。最初は、あまりにも長い冬眠をしていたために身体が鈍ったのかとも思ったけれど、もういくらなんでも回復して来そうな時期だし。血の巡りも良さそうな夏だしなあ。最近やっている運動はヨガと散歩、そして週一度のタップダンス。結構動いていると思うのだけれど。

それでもやっぱり足が重い。ひょっとして、これはいわゆるあの「老化」なのだろうか、とようやく認める気になった。冬眠に入る前までは、全くの肩凝り知らず、そしていくらそこら中を歩き回ろうと、三度の御飯が二度や一度になろうと、半徹夜で身体と精神の両方をぎちぎちまで駆使していようと、グーグー寝れば後はスッキリ。足が重いとか腰が痛むとか、そんなことは一度だってなかったのに。

ああ。迫り来る現実。迫り来るローカ。かなり怖いな、これは...。...そうだ、間違いない。ローカだローカだ、きっとそうだ。そう思うとなんとなく心まで重くなって来るが、しかしここで諦めてはイカんのではないかと思い返し、足ツボを刺激してみたり、半身浴とやらをやってみたり、ふくらはぎマッサージしてみたり、いろいろと抵抗してみた。それがね、効かないんだよ、どれも。それでもやっぱりどよよんと重い足が二本。何なのだろうこれは、と「骨盤なんたら...」とか「整体...うんぬん」などというような本もいろいろと読んだりしながら、あれこれ試した挙げ句に遂に分かった。分かりましたよ。このどよよん足に効くのは、なんと!「ストレッチ」でした。ヨガってストレッチじゃないの〜、という気もするが、どうやら昔ダンス教室でやらされていたような、集中的な足ストレッチ(及び骨盤運動)が効くようなのである。

もともと、子供の頃からものすごぉく身体が固かった。小学校一年生の時に「英語教室かバレエ教室の、どっちかに行っていいわよ」と言われて、結局英語教室を選んだのは、身体がもうその頃かなり固く、「やっぱり私には無理なんじゃないだろうか...」と、子供心に既に引け目を感じてたんじゃないかと思う。あの時バレエ教室に行ってたら、もうチットは身体が柔らかくなったんだろうか、と惜しい気もするが。

思えば、その後の人生も、身体の固さとの格闘のような毎日だったな。身体というのは、やっぱり柔軟な方が絶対にいいのだ。道に落ちてるものを拾う時だって、身体が柔軟な方が絶対得だし、さ。小学生の頃から前屈がマイナス表記になっちゃうので反動をつけてズルしてた私。そんな棒っきれみたいに固い私が、F犬街のスポットライトの当たる舞台で何がしかの身体表現などをやっていた時なんざ、どんなにこの固い身体が悲鳴を上げたことか。ついでに演出家が「そーじゃなくって!」と悲鳴&怒声を上げ、なんで自分は他のくねくねとした美しいダンサーのような魅惑的表現ができないのであろうか、とどんより思い悩み、ストレッチの真似事のようなことをすれども身体一向に柔らかくならずの日々が続いたのであった。

ストレッチの真似事、というのは、そもそも私は普通の人が普通にできるような開脚120度で前屈、とかいうのがほぼ全くできない身体構造になっていて(それは別名「身体が固い」とも言うのだが)、脚を閉じた状態のままでも腰を立てることができず(膝を少し曲げればできるけど)、要するに、脚と上半身の角度の方が120度になってしまうという、前屈をしようとすると後屈運動になってしまうというすごい弱点を抱えているのである。

これって結構、コンプレックスといえば、コンプレックスですね。だって、ヨガ教室でも、かなり年輩のおばさまなんかが平気で私よりも柔らかいだもん。たぶん骨盤回り、脚回りの固さでは国際的にピカ一です、私。全然自慢できないけど、さ。そしてこの足腰の固さでタップダンスってのは、これはもう最初からものすごいハンデを背負っている。リズムを取るのは得意なんだけど、いかんせん足首および脚全体がものすごく固いので、素敵な速さでステップを踏むレベルにはどう頑張ってみても達し得ないんじゃないだろうか。ダンサーでもスポーツ選手でも、上手い人ってみんな足腰がすごく柔らかいもんな。あーあ、なんでこんなに固く生まれちゃったんだろう。ボキッ。

と、いつまでも嘆いているわけにはいかない。つまり、私は人の二倍三倍固いので、ローカにもたぶん人の二倍三倍の努力をもって抗さねばならぬ。毎日じわじわと身体は固くなっているわけで、それに対抗するにはストレッチ、ストレッチ、またストレッチを日課とするしかない。

で、実際にストレッチをやってみると。これがやたらに気持ちいいんだよね。キューッと縮こまってる筋肉の筋の一つ一つが伸ばされて、ようやく呼吸し始めたという感じ。ストレッチをした後には、脚が比べ物にならないくらい軽い。そして、むくみも取れるのか、足首もちょっと細くなったような(えっへん。気のせい?)。そう言えば、坂東玉三郎が昔テレビで、「毎日のストレッチだけは絶対に欠かしません」とか言っていた。それがあの方の美の秘訣とか。毎日継続するというのは、なかなか難しいけれど、どうやらストレッチの決定的な不足というところまではどんより足の原因を突き止めたので、あとは実行あるのみ。昨日へと向ってストレッッチ! 美を求めて伸ばせ、伸ばせ!
というわけで、さて、伸ばすかな、今日も。
あ、イタ、イタ、きもちイイィ。