トマトがぽおっとしてきました

トマトが、色づいて来た。だいぶ大きくなって来たなあとは思ってたけど、ここ数日天気も悪かったし、ほんのりと赤みを帯びて来ているのを見つけた時は驚いたなあ。しかも、数日前まで小さくてなんだかよく分からなかった莟のところに更に3つしっかりと丸いのが見え始めた。豊作かも。しっかり水やりしようっと。晴れの日が続くといいな。

それにしても、植物たちは、こちら動物の成長がはっきりしないのとは対称的に、毎日ずんずん花芽を伸ばしている。人間もあのくらい成長の跡が分かりやすいと面白いのにな。こちとら人間の内側にある小さなトマトも、いつか色づくのであろうか。見えないので何とも言えないのだが、とにかく毎日きちんと手をかけて育て続けるしかない。水くれを忘れて立ち枯れたり、虫に食われちゃったりしないように注意しないとね。うっかり収穫しそこない、なんてことにもならないようにしないと。ここんとこ毎日、朝晩、あっちとこっちの小さなトマトをじっと見る。そんな日常。

本日、曇りからやがて晴天。ここ数日天気がイマイチだったので、ようやく太陽の光を浴びて、植物連は嬉しそう。ミントの野郎はますます育とうと、芽を出す芽を出す。こっちも負けじといっぱい摘み取って、サラダにして食べちゃったよ。

それにしても、全く暑くない夏である。春でもないし、秋でもないけど、私の中にある夏というカテゴリーにはちょっと入れにくいこの気候。暑さに弱い身としては過ごしやすさはこの上ないのだけれど、日が陰ると結構寒かったりもして、身体が夏だと認めてくれないのが困る。昨日から冬に愛用していたレッグウォーマーを着用する始末。これはいわゆる季節ではない季節だな、はっきりしてよ、ねえ、ねえ、と思わず季節に詰め寄りたくなるが、とにかくでも、光は高い角度から差し込むし、道行く人はフリップフロップであるし、V市ではこれを夏と呼ぶらしい。

実は、夏のこの季節をV市で過ごすのは初めてなんである。いつも、クソ暑い日本にわざわざ帰っていたのである。サディスティックなのか何なのか分からないけれど、暑さに弱い癖に、あの、5秒おきくらいに「あつい...」と言わずにはいられない極限的夏が結構好き。誰が何と言おうと、あのくらい暑ければ間違いなく夏だもんね。V市なんて、家の中にいたら汗のひと雫も出て来ないもの。しかも、エアコンなし! エアコンのついてる家なんて、たぶんこの街にはほとんどないだろう。熱帯夜もなし。夜10時ごろに陽が落ちると、上着がないと寒いくらい涼しくなる。そうだなぁ、このV市の夏の感じって、日本で言ったら霧ケ峰高原って感じなんじゃないだろうか...。

避暑地気分で今年の夏は、身体が「え、いいの? こんなに楽で?」と、なんだか拍子外れで、やっぱりでも「オレはこれは夏とは認めんぞ」なんて、まだ頑固なことをいってる状態を楽しむしかないらしいな。夏にこんなに楽しちゃっていいのかな、と私の方もやっぱりちょっと拍子抜けですが。