外国人サシミを食べる!

さて、本日は東京攻めの最終日。それにしても朝から暑い。昨夜Sさんと深夜2時頃まで、高校生みたいにファミレスでアート談義していたので、さすがに体力の限界が近づいている気配。しかも本日は、人に頼まれたお土産を買うというタスクが目の前に立ちはだかっている。この暑さの中、浦島太郎さん状態の東京で、上手にお買い物ゲームができるのか。

お買い物ゲーム開始の前に、親友T子さんち訪問。もうすぐ2歳になる娘さんとほぼ一年振りの再会。いやあ、子供の成長というのは速いものだなあ。この前会った時には赤ちゃんだったのに、今回は「あか!」とか「あお!」とか「まま!」とか「xxしゃん!」(xxは私の名前)とか「ぞーしゃん!」(ぞうさん)とか喋るんだもの。一緒に「チューリップ」の歌まで歌ってくれた。バイバイする時に、なんかものすごく悲しそうな顔をされて、後ろ髪を引かれる思いであった。泣かないで〜。

さて、いよいよお買い物ゲーム開始。まずは銀座へ。めざすは鳩居堂。ここのお香が商品ナンバーその一。さすが老舗。店員さんの応対がものすごく素敵。

とって返して池袋。まずはサンシャインシティ。人が多いよ。暑いよ。前にすすめないよ。と、なんだか既にフラフラしつつ、めざすはスタジオジブリの専門店。トトロ一個買って来いというのが商品ナンバーその2。無事、身長7センチくらいのミニトロロを購入。ここでお腹がグウと鳴ったので、人混みをかきわけ軽いお食事。日本は行き倒れそうになった時でも、目の前に何かしら食べ物屋があるところがすばらしい。

と、エネルギー補給を終えて、また地上へ。お目当ては東急ハンズ。お隣なので助かる。ともあれ、東急ハンズに行けば、お土産の9割は揃うのではないかという期待を胸に、フロアを上がったり下がったり。結構疲れるなあ。それにしても何でもあるなあ、と感心しながら彷徨うこと約一時間。予想通り、ほとんどのお土産がここで揃った。それにしても疲れた。というのは、かなり重い荷物を背負っているのである。昨日宿泊だったため、そういった荷物がバックパックに入っているのである。

V市ならばフツーの光景であるが、東京の街をドでかい重そうなバックサックを背負って歩いている人って意外と少ない。このままお洒落な百貨店なんかにもズカズカ入って行ってしまう私なのだが、かなり周囲から浮く。売り子のお姉さんたちの「あらま」という視線をかなり感じる。いろいろとショッピングしたいところだったけれど、自分の買い物は今回はパスだな。この荷物を背負って、あれこれ見る気力がもうない。さっきから腰が痛い。足が上がらない。エネルギーレベルが落ちている。エネルギーの目盛りが100から突然20くらいのところまで下がった光景が昔はこのくらいのバトルはヘでもなかったんだけどな。でもしかし、ここ数年、体がどうも言う事をきかず、近所のスーパーマーケットに出掛けるのさえおっくうで、人に会うのもなんとなく気が進まなかったことを考えれば、ここまで回復したのは驚異的。よしとしましょう。

ここで、私の携帯にメールが。海外出張を終えて成田空港に本日到着のKくんが、こっちに向っている途中だとの連絡。学生時代に一緒にアホなことをやっていた友人なのだが、なんというか、宇宙人のような人である。地球人には思いもよらないような奇想天外な発想と柔軟な思考で、今ではデザイン関係の会社を率いる一国一城の主となっている。

原宿。明治神宮そばのカフェでしばし雑談。なぜかKくんと話していると、姉御キャラが出て来て、なんとなくお説教口調になってくる。Kくんが永遠の弟キャラだからなのかもしれないが、のんべのおっさんが隣りの客に絡んでいるような調子になってきて、自分でも変だなと思った。時差ぼけで姉御の皮を被った酔っぱらいのおっさん(しかも、本当は酔っぱらっていない所が怖い)に絡まれるハメになったKくんも災難であっただろう。それにしても、何かに乗り移られたように自分のキャラが変容したのが妙であった。疲れ過ぎていると普段は内側に隠れているものが出て来ちゃったりするんだろうか。とすると私の本質は酔っぱらいの姉御か?

こんな恐ろしいものまで出て来ているのだから、そのまま大人しく帰ればよいものを、腰痛足痛そしてどよよんと全身を包んだ疲労オーラを抱えたまま、ぬーっと新宿駅に現われ、新幹線までの時間を使って、MM氏と新宿でちらり。お互いの近況などをさくっと報告しあいつつ、早々に東京に別れを告げるはずだったのだけれど、食事に向う途中に外国人に道を聞かれ、なぜかその外国人も一緒に寿司屋に行くことに。変だなあ、この流れ。スペインからやってきたラテン系の人物であった。今朝成田に到着したばっかりらしいが「日本はすばらしい」とか連発している。何を見たの? と聞くと「成田からの車窓と、新宿のホテルまでの風景」だけだそうである。そんなにいいとこかしら、日本。

まあ、道を聞いたつもりが寿司屋に連れて行かれ、ビールや日本酒を飲まされ、初めて使う箸でサシミをつまみ、さっきから「うまい」を連呼してるんだもんなぁ。私達が正しい日本の姿を伝えたのかどうかは分からないが、まあかなりラッキーな外国人であると言える。私にとっては英語圏に帰る前の、リハビリのような夜でもあった。結局、サカナの名前や、寿司の食べ方や、「つきだし」とは何なのかの説明なんかに終始して、MM氏とは全く話せなかったのだが。

と、美酒に酔う暇もなく、いい感じに酔っぱらい始めているMM氏とラテン氏を店に残し、新幹線に飛び乗ってN市へ。
さすがに疲れた。新幹線の中の記憶なし。ずっと気持ちよく眠っていた。