神業なり。空間を移動する荷物

日本滞在も残り少なくなった。なんとなく朝から落ち着かない。あれもやらなきゃ、これもやらなきゃ、ああ、あれもやっておかなきゃ、と最後の方になって、やらなきゃならないことが押し掛けて来る。

というわけで、懸案の一つであった社会保険事務所詣でを実行。還付ではなくて納付の方の窓口はガラガラ。『ねんきん特急便』ってのが2通来ていたのだが、どうもよく分からんので、海外在住ながら「任意加入」したいのですが...などという納める(かも)という話のついでにいろいろ聞いてみた。いやあ、大変だ。あんな、探偵さんのやる追跡調査のようなことを国民一人一人に対してやんなきゃならないとは。結局、不明な期間を追跡してもらうことにしたのだが、「少し時間がかかるかもしれません」って。そりゃそうだ。時間かかるでしょう、この作業。なんだか気がふーっと遠くなって、ぶったおれそうな気分になった。

本日は、オートマ車に乗って少し運転。うーむ、オートマって楽だなあ。でも、マニュアルに慣れてしまうと、なんとなく物足りなかったりして。ツウ〜。

この他にも、あっちに行ったりこっちに行ったり、心ここにあらずという態で、ラストミニッツの用事をあれこれこなしたのだが、本日最後の用事は空港に送る荷物を宅急便のオフィスに持って行くことだった。夜8時すぎ。ネコが運ぶ某宅急便会社の事務所には、蛍光灯が真っ白く灯り、これから夜の配達に出掛けるおじさん&おにーちゃんらが、つかの間の歓談を楽しんでいた。うへぇ。N弁のこの柔らかき空間。田舎〜なこの味わい、一日二日で出せるものではない。笑い声。そして、車が一台、また一台、夜の道へと出動していった。(おつかれさま! ありがとう! がんばってください!)と心の中でおじさんたちの背中に声を掛けた。聞こえなかっただろうけどさ。心の声だものさ。私は日本の宅急便が大好きだ。昨日の夕方出した荷物が今日、遥か彼方の、全く違う訛りの街にもう届く。神業。一体どうやって運んでいるのか。荷物が止まっている瞬間なんて、ほとんどないんだろうな。

一つの荷物が、私が眠っている間に、空中を絶え間なく移動していく様を想像した。

一度、荷物の中に隠れて、そこに小さな穴でも開けて。おじさんらの神業をじっと観察してみたいなあ。企業秘密かしら。(途中で魔法使ってない? 時間の計算がどうにも合わないんだよ)

私は、日本の宅急便がほんとに大好きなのだ。