号泣! にっぽんの底力。

二日目にして、もう号泣なのか、ピヨコ。まだ先は長いというのに。
なぜに号泣。何か辛い事があったのか。え、そうじゃなくて。あまりの感動に。涙。

さて、ピヨコの今回のゲストは米国人初老夫妻(以下、とーちゃんかーちゃん)&その息子中年(以下、息子)。とーちゃんかーちゃんは日本はおろか、アジア初旅行。しかも結婚50周年記念の旅。彼らにいい思い出いい旅を楽しんで頂き、カンドー日本を伝えるのがピヨコの今回の使命なのである。でも、何と言っても相手はオバマ国のひとびと。生活習慣の違う日本に馴染めるのか、楽しめるのか、マジでカンドーできるのか、ピヨコは数ヶ月前から「ぬーん」とかいう声を出してインターネットに向い、このハイパートラベルのプランを練り続けていたのであった。

本日は一足先に日本に上陸している息子と共に、成田空港に両親を迎えに行くのが主なお仕事。さて、まずはその前に腹ごしらい...と本日の宿新橋付近のホテルからふらりと出た。丁度お昼時なのか、ビジネスマン軍団がまた今日も辻辻、路地裏から湧き出るようにランチの陣へ出陣中。それにしても、3歩歩くと旨そうなものがある、この東京の街。ピヨコもキョロキョロと落ち着かず、お腹がグゥ。夏目漱石3枚くらいの高級ランチから、硬貨3枚くらいのXX牛丼などまで、このバラエティーこの彩り。しかも硬貨3枚だって味に関しては侮れないところがこの国のすごいところだ。

旨いものが散りばめられた都市図のあちこちに群がる背広軍団。経済後退と言われつつ、なかなかどうして、このランチ時の活気はすごいな。圧倒されちゃいそう。さて、なーにーをーたーべーよーおーかーなああーーー、とスキップを踏んだところで、目に入ったのが香川県愛媛県のアンテナショップ。こういう地方の出店物産系に弱いんだよねピヨコ。だって、品質高そうなんだもーん。よし。うどんだ、今日はうどんくってやるぞ。と迷わず和毛を逆立てて突撃。ピヨコは「釜卵生醤油うどん」そして息子は讃岐豚のカツ重ミニうどん付きで勝負。讃岐豚って、その音を聞いただけで旨そうではないか。結果報告。うまい。いや、うまい。隅々まで、うまいっ。もうその辺りから、ピヨコの眼には涙が浮かんでいた。

それにしても、周りにはビジネスマン軍団のランチの陣。社員証を首からぶら下げた男女が、ものすごい食いっぷりで皿を平らげている。この活気。このエネルギー。この闘う男女が日本の屋台骨を支えているのだなあと、甲冑に身を包んだ戦国武将達の戦闘の合間の食事シーンに立ち会ったようなえも言われぬ感動。ああ、こんなに行列して。お昼休みは短いってのに。あっぱれ。

さて、その後、新橋エキチカスーパー(地下じゃないけどね)を物色。日本の駅のパワーってのは、これはノーベル賞ものである。なんで、こんな素晴らしいものが駅なんぞに...。欧米の駅ってのは、できれば買い物をしたくない場所ナンバ−1に入るであろう寂しさ質の悪さ荒れ果てたオーラをたたえているものだが、すごいなこのエキチカ。新鮮な魚(これは築地から来てるのか?)、目にも美しい総菜の目白押し。なんというかなあ、シルエットがくっきりしています。日本のスーパー。品質の良さ、ディスプレイの几帳面さ、溢れるサービス精神、清潔な活気。ああ、揚げたてコロッケ、ああ湯気ほかほかのおこわ弁当、ああ中華総菜、ああ焼きたてチョコクロワッサン。と、顔が思わずピカピカ輝いているピヨコの横で、息子が一言「おれ、もう泣きそう」と呟いた。日本のスーパーのオーラ、ニコニコと笑いかけて来る高品質の野菜やブランド肉、まだ跳ねてる如き採れたて魚、サービスの4文字が歩いているような店員さんに「やられた」のである。感涙。こんなすばらしことがこの世で実現されうるのであろうか。米国人の想像力を超える品質サービスしかもチップなしですよ日本。そうです、この世のものとは思われぬ極楽のような光景を前に、胸がぐっと詰まったのです。そして、沸き上がる感動。じーん。アメリカ人をも感動の涙に誘う日本のスーパーの底力。いや、あっぱれでござる。

さて、とーちゃんかーちゃんも無事成田到着。飛行機を降りる時に貰ったというマスクをかけて記念撮影。不謹慎なピヨコはようこそJAPANとばかりにVサインを出して笑っていたらしいが、ピヨコの手ってVかどうかよくわかんないのと、嘴がマスクに隠れてたんで、本当に笑ってたのかどうかは確認不可能。泣いてたのかも知れないな。感動日本。米国人親子をカンドーさせる前に、自分でカンドーしちゃってるピヨコ。いや、それでこそ真の旅行ガイドなり。まずは自分を感動させて、それから世界に向けて感動のアウトプット。ビジネスマン軍団ラブ、エキチカラブ、そしてここまでやるかというホテルマンラブなども出て、とーちゃんかーちゃんむすこの旅第一日目はカンドーのうちに幕。おつかれ、ピヨコ。ん、東京タワーを背景に仁王立ちでVサインかよ。お前、思いっきり日本を誇りに思ってるなド大和ピヨコめ。それにしても、すごいよにっぽんの底力。A首相の美しい国日本キャンペーンは尻切れとんぼだったけど、そのスピリットはどうやらピヨコトラベルに受け継がれているらしいぞよ。今日もゆくゆく、ピヨコトラベル。