ビジネスマンSFを見た

成田突破しました。
ウイルスの攻撃、検疫検査官のチェックをマスク手洗い笑顔で交わし、二列前の人が「数日前から喉が痛くて...」などと申告してるのを聞いて、ドキドキ。ずっとマスクをかけてたせいかなんか体が火照っているのでドキドキ。いやあ、ドキドキしました。

実際の検疫は25分くらいで終了。サーモカメラというのを持った人が機内をスキャン。かなり本格的なマスク姿にゴーグル。それから日本での滞在先と体調を書き込んだ問診票を提出。それで問題なしとなると注意事項などが書かれた黄色い紙を貰ってGO。結局、足止めされた人は誰もいなかった様子であった。

スチュワーデスさんたちもみんなマスク。なんだかSFチックだなあ、と思っているところに、機内で上映されている(15本くらいの中から自分でセレクトできるんだけど)日本映画は『20世紀少年』。飛行機は炎上するわ、細菌兵器がバラまかれてガスマスクで闘ってるわで、なんというかインフライト映画でこのセレクションってちょっとデリカシーないんでない、とピヨコ。2時間近くサスペンスを引っ張った挙げ句に「to be continued..」って、三部作らしいけどあんまりだぁ。来週見れるTVドラマシリーズならともかぅ。サチスファクションがぁ。なさすぎなさすぎっ。ぴっ。と、ご機嫌斜めピヨコ。インフライトムービーに期待しすぎだよ、それ。

機内ではマスク姿の人がちらほら。マスクしててもバッチリメイクは偉いね、日本女子。ピヨコはマスクが取れないらしい。和毛がべたべたでリップクリームすらつけてません。って、あ、ピヨコはリップじゃなくて嘴だね。でも、ガサガサ。

さて、東京に無事上陸し、下町方面茅場町近くの宿に到着。ごはんごはん、とピヨコがうるさいのでよっこいしょとでかけたのだが、いやまあ、ビジネスマンが多い、しかも足速い!東京の午後7時半。わらわらわらわらそこら中の路地からビジネスマンが沸いて来る。ダークスーツが、あっちもこっちもお隣も後ろも。ひゃあ。こんなにビジネスマンを一度に見るのは何年振りだろう。ピヨコは完全に浮きまくっており、V市の空気でまだ歩いてるもんだから、東京のフィルターで見ると浮浪者のようなオーラ&身なり+長時間フライトで魂が抜けたようになっているので、前から後ろから波のように押し寄せて来るビジネスマンにぶつかりそうになること甚だしい。

すご。これもまたSFの如き風景なり。下町の江戸情緒春の夕暮れに背広軍団の群れ。こんな街だったのだなあ、東京。このまま撮影してもSF映画になりそうな迫力。そして道々にある居酒屋はどこもぎっしりビジネスマンが詰まっている。圧巻。

カジュアルな寿司やで夕食。ここもまたものすごい分量のビジネスマンが詰まっている。すごい熱気。どのテーブルでも、寿司食いながらも、酒飲みながらも、まだ仕事の話。すごい。これも現実のものとは思えないが本当。全部のテーブルでだよ。そして、ああ、忘れていた。カウンターの隣にはスモーク大将。そうです。喫煙者のおっちゃんです。吸うかなあ、そこまで。折角の寿司がおっちゃん(社長と呼びましょう)の煙のおかげで台無しになりました。ぬーん。お茶飲んだら、スモークティーの味がした。喫煙大国日本。恐るべし。手強いです、社長。これまたSFですね、今や。ここまでどこでも吸ってる国ももはや珍しいもんね。おもいっきり咳き込んで、社長を怖がらせてみようかなとも思いましたが、やめときました。

郷に入っては郷に従え。

まずは、東京の地面に横たわって、寝ます。ああ。それでも。大好き,日本。