市民という職業

こんな映画見た。

Unreasonable Man [DVD] [Import]

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アメリカの社会運動家ラルフ・ネーダーのドキュメンタリー。この人、2000年と2004年のアメリカ大統領選挙に立候補して、民主党の票を食っちゃったことで、結果的にはブッシュ政権の誕生と継続をもたらしたとして、賛否両論ある人物なのだけれど、この大統領選挙の一件はともあれ、自動車の安全性の向上や食品の安全性など、消費者の立場で1960年代から闘い続けて来た強者。この人のおかげで、今のアメリカの消費者の権利が確立された、と言ってもいいほどの功績がある。

なぜこのドキュメンタリーを今見たいと思ったかというと、
日本の原発再稼働反対デモのことなどをずっと考えていて、
市民は権力に対して、一体何ができるのだろうか、
それが気になっていたからだ。
ここのところの大手メディアの報道(あるいは「報道されない」という事実)、
インターネット・メディアの報道などを見ていると、
「義憤」とすら名付けて良さそうな怒りが、
むくむくと沸き上がって来て、どうしようもない。
でも、自分に何ができるのか、それもよく分からない。

分からない時は、先人に学べ。そう思って、このドキュメンタリーを見た。

この映画の中には、市民に何ができるのか、そのヒントがたくさん散りばめられている。(決して信念を曲げない優れたリーダーというものが、それには不可欠であるということも)

その中で、あっ。と耳に残った二つの言葉。

一つ目は、ラルフが子供の頃の父の言葉。
学校からラルフが帰って来ると、父はいつも尋ねたそうだ。
「おまえは今日、学校で<believe = 信じる>ことを学んで来たのかい、それとも<think = 考える>ことを学んで来たのかい」

二つ目は、ラルフの言葉。
「市民は職業である」

私は日本の学校で、<考える>ことを果たして学んだのだろうか。<信じる>ことばかりを学んでいたような気がする。そして、私は今まで市民という自分の立場に誇りと責任を持って、その職責をきちんと果たして来たのだろうか。

世界の見え方が、変わって来た。