師走

年末というのは、新しく何か始める気分になれない。
別に何かが決定的に終ってしまうのではないのだけれど
ラストスパートの心地がある。
毎日をでも坦々と過ごしているのであれば、1月1日でも12月19日でも同じはずなのだ。
それでも、なぜかしらず、ギャーとか声をあげながら、無意味に街中を走り回りたいようなのは、師走という文字のせいだ。お師匠さんすらバタバタと走り回るのだから、修業が足りない私なんかがつい走ってしまうのは仕方がない。

さて深呼吸。

ソージでもするかな。

友達が、街中の高級チョコレートやで、塩チョコなるものを買ってくれた。店の前に突っ立ったままで食べたのだけれど、パキっと塗り分けられたような甘味と塩味がとろとろと流れ出て、言葉にすると美味しいとしかいいようがなかった。楽しく温かいのだが、少し悲しいような味に感じたのは、たぶんそれが小雨が降っている師走のダウンタウンだったから。買い物客が押し合い走り回る師走の街というのは、なぜかいつも少し悲しい。