見てはいけないとは知りながら
V市が世界のワースト・ドレッサー・シティーの、堂々第二位に選ばれたとか選ばれないとかっていう噂を割と最近聞いたのだが、これに関しては悲しいかなウンウンと頷くしかなかった。
なんでも、堂々二位の理由は、ヨガパンツが多すぎることにあるらしい。
そうなのだ、女性のお洒落着がこの街ではヨガパンツ。前も後ろもヨガパンツ。バスの中もびっしりヨガパンツ。
ただし、この街のヨガパンツの中には目の玉が飛び出るくらい高いブランドものもあるので、貧乏臭いのとはちょっと違う。
今日も曇天の下、坂を上っていたら、前にヨガパンツの女性が歩いていた。見ちゃいけないと思いつつも、ダメだ、視線がどうしてもおしりにいってしまう。ヨガパンツというのは、おしりの線にぴったりとくっついていることが多いからだ。ここまでラインをあらわにしちゃっていいのですか、ととっつかまえて真顔で問いかけたくなるほどに、惜しげもなく公共の空に揺れるおしりよ。
おっさんに見られているならともかく、まさか後ろより上って来る女子にじっとそれを見つめられていようとは、このオネエサンもよもや思うまい。これはわたくしの罪なのか、それともヨガパンツの罪なのか。困った街だ。