メトリック連合

ヨガ教室に行ったら、今日はいつものL女史ではなくて、アメリカのテキサスからやってきたY先生だった。一年に一度か二度、L女史はインドにヨガ修業に出掛けるのだけれど、その間に代わりの先生としてやってくるのがこのY先生。

物腰柔らかな長身のおじさん。教え方がとてもうまい。
テキサスに住んでいるけれど、アメリカ人ではない。
フランス語訛りのある英語で話す。
もともとはスイス人らしい。

マットを壁からどのくらい離して敷くか、という時に、
「えっとねえ、...センチ...じゃなくて...1.5フィートくらいね。いやあ、最初の頃はややこしかったんだよねー、この換算が。」
とか言ったら、カナダ人のおばさま方が
「あら、うちらもMetricよ!」
と笑った。

この会話、実は深い。
Metricというのは、センチ&メートルで長さを測る方法で、日本が使ってるのもこっち。カナダも基本的にはこっち。ところがお隣うさ国ではインチ&フットを使うのだ。んもー、面倒くさいんだよ。実際にはカナダでは両方使う。センチと言っても、インチと言っても、どちらでも通じる。でももともとはイギリス系の国なので、Metricが基本らしい。

カナダはMetricだとスイス人に言ったおばさまのニュアンスには「私たち、仲間よ〜」そして「うさ国とうちらは違うわ、安心して!」というのがちょっとあるのだ。カナダという国のアイデンティティは、隣国の強国=うさ国と自分らは違う、ということに成り立っているような部分があるのだ。

私も心の中で「うちったもMetricだよーん」と囁いた。
なんだ、この変な仲間意識。
ほんと、インチ&フットは苦手なのだもの。
未だに換算がうまくできないし、する気も起きてこない。