流れ出る卵の黄身よ

雨。
いよいよ、Vに冬がやってきた。
鬱陶しいのだけれど、心は軽い。
新作の公演もなんとか無事終って、久々の休日。
Q公園の中のレストランでラッコとサンデー・ブランチと洒落てみた。
このレストランはガーデンの中の高台にあって、Vのダウンタウンが遥か一望できる。
雨模様で景色はどうかなと思ったけれど、霧が少し晴れて、トーンはグレーではあるが、おお絶景。

幸せだなあ、とオレンジ色の半熟卵の黄身を口に運びながら、思わず思った。

なんだ、「思わず思った」って。

卵一つ。それで幸せになれるってわけだ。

仕事して、誰かといて、樹が生えてて、卵一つ。

幸せだなあ。

思わず、また思わず思った。