寿司ガール

ここが日本で、近所に本屋さんがあったら、
今すぐにでもるんるんスキップしながら買いに行きたい本が、
数日前に発売された。

残念ながら、ここはVであり、
近所に日本の新刊を扱う本屋さんもない。
遠く日本からゆっくりと送られて来るのを待つしかない。
ああ、すぐに食べたいのに!

るんるんとスキップして行ける本屋さんが近くにある人は、
つっころばないように注意しながらも、秋の空を軽く飛びながら、
この本を買いに行くことをおすすめする。

特に、「自分はこのままでいいのかしら」なんて悩んでいる女性達は必読。そんな男性も、必読。

単行本になる前のいくつかの寿司たちを既に賞味したが、
それは、心の奥底に届く味だった。
甘いとも、酸っぱいとも、辛いとも苦いとも言い切れぬ、生きていくことの複雑な味。でも、それを一言で表現したら、「旨い」としか言えない、少し離れた所から眺めた人生の味。

まさか、寿司に癒されるとは思わなかった。
いや、寿司とは元来そういうものなのかも知れない。
今や国際語になったsushiは、日本人の一生に、つきまとって離れることがない。

Vの空の下、こんなに遠くに来ても、やっぱりsushiからは離れることができない。苺巻だの、玄米寿司だのなんだのって、それはちょっと違うんじゃないかと思うようなsushiにVで出会う時、私は自分の心の中にいつのまにか住みついている、愛おしい寿司達のことを思うのだ。

あ。寿司食べたい。

寿司ガール 1 (BUNCH COMICS)

寿司ガール 1 (BUNCH COMICS)