笑顔

昼間少々時差ぼけ。カフェにて仕事、ふわふわとして未だ別世界にいる心地。
夜DVDで映画を観る。
キアロスタミの『ABCアフリカ』。ウガンダの孤児を捉えたドキュメンタリー。
キアロスタミは大好きな映画監督なので、ついつい贔屓目に見てしまうということはあるのだけれど、それにしても、カメラの前でぴょんぴょん跳ね回る孤児達の絶対的な輝きに決定的に目を奪われてしまう。

この子供達は、物質的なものは何も持っていない。一枚っきりのTシャツには穴が無数に開いて、赤ん坊はおしめすらしていない。それでも、キラキラした何かが一人一人の中に灯っていて、カメラに向って笑うその笑顔はどこまでも透明で。これは、一体何なのだろう。客観的には、この子供達が「幸せ」だなんて、とても言えない。でも、そこに、神さまと直接つながっているような不思議な美しさがあって、私は考え込んでしまう。Jでは、Vでだってそうだ、子供も大人もやたらにいろんなものを所有していて、便利で快適で、満ち足りている。はずなのだが。日々の不平不満。笑うことすら忘れている。輝いていないのだ。全て手に入れたのに。たぶん、曇ってしまうのだ。いつの間にか。人類というのは、変な生き物だよ。バランスが、うまくとれていない。

☆ 小鳥跳ぶ子供跳ぶ跳ぶ犬吠える