花浮かれ、睡魔襲来

朝方、本郷付近に出没。友人T嬢と骨を見る。この友のすごいところは、土曜日の朝に骨を見るというイベントに、八百屋でバナナを見るような気軽さで誘ってくれるところだ。とにかく、いろいろな動物の骨が特にどれが誰さんの骨だなんていう肩書も付けずに地平線の彼方まで並んでいるような(やや脚色。かなり脚色)展覧会であった。骨ってのは普通内側にあるので見えないのだが、改めて眺めてみると、へんてこなもんだ。骨にも生命ってのはあるのだろうけれど、どうもそんな風には見えない。肉だのなんだのという部位に比べて、完成度が高いようであって、それでいてやたらに空っぽなのだ。会場に置いてあった解説用紙によると、こいつが狸らしい、という骨を我々は見つけたのだけれど、これが狸だとすると、狸の顔の大部分は肉で出来ている。骨が小顔すぎる、ということで意見が一致した。

午後、街歩きのプロである友人M氏と合流。谷根千ぶらぶらを洒落込む。この界隈は、その昔、岡本文弥師匠のお宅にお邪魔したことがあり、その時の光景と重なって懐かしい。今はやたらカワイイ店だの、コンテンポラリーなギャラリーだのが軒を連ね、へええ、ほおお、なんてやたらに驚きの声を挙げながら歩いて、こんなところでアートやらせてもらったら楽しいだろうなあ、と勝手に自分の中で企画してみたりした。

商店街で買ってもらったメンチカツを歩き食べしている辺りから、昨日の夜に拾ったらしい睡魔がむくむく目を覚まし(睡魔が目を覚ますと自分が眠くなるという当たり前のことに初めて気づいた)、せっかくM氏の奥様とも合流したのに、美味なる蕎麦やでちゅるりとやったところで睡魔に負け、人々を後に残してようよう帰宅。意識が無くなりそうな程の巨大な睡魔というのは初めて拾った。あいつがあれ以上デカくなると、眠りの世界から帰って来れなくなるかもしれない。恐ろしい。睡眠というのは大事ですよ、怖いですよ。寝不足に注意。ああ、それにしても、楽しい一日だったなあ。桜の花も、ちらほら咲き加減で。(ええい、睡魔め)