カロリーメーターが振り切れた

朝、Nを出てお江戸に向う。名残を惜しむ時間などなく、恐怖の4時間睡眠から起きた後、ネコトラベルが準備してくれた朝風呂(登別の湯)に飛び込み、なんとか披疲労回復を試みるが、睡眠を入浴で補うことはほとんど不可能。そうしている間にも新幹線の出発時刻は迫る。名残を惜しむなどという時間があったら惜しんじゃうのになあ、とかピヨコは余計なことを言っている。そう、いつも私の人生はこの調子だったような気がする。大慌てで間に合わない、ラッシュ&ダッシュ。飛ぶ鳥後を濁さずなんて諺を聞くと笑っちゃう。後が完璧に濁り過ぎている。

その点、ピヨコは大したもんだ。昨夜だって、ちゃんと歯を磨いて(あるのか、歯)荷物を整え、「ワタクシはお先に」とかなんとか言って、寝ちまった。そして今朝は今朝で、「いただきます」とかなんとか言って、食卓に並んだ焼き魚・T尾の油揚げなんかをパクパク食べている。そして、時間になると「行きます!」とか宣言して玄関に立っている。こいつがいなかったら、私は電車に乗り遅れてたところだよ。さすがはピヨコトラベル。

午後、友人A嬢に会う。今日は今や有名になった(?)神田のトンカツやさんに行くのだ。でも、待ち合わせをしたのが、まだ陽の高い頃であったので、とりあえず神田の有名な揚げまんじゅうを食べようということになる。神田のTむらに行ったのは、ひょっとしたら15年振りくらいかもしれない。昔と同じ佇まいに思わず微笑んでしまう。揚げまんじゅうはお土産に買う事にして、粟ぜんざいを頂く。

そこまでは、企画通りだったのだけれど、なぜかその後、アキバへ出陣してN出身者であればかなりの確率で知っているA島ラーメンを食べに行くことになった。アキバにA島ラーメンが出店しているという、それだけでもう行かずにはいられないではないか。なんでも、Nから毎日、スープを運んでいるんだそうだ。だからスープがなくなったところで閉店。味は本店とそれほど変わらない旨さ。装飾を一切排した店内もアキバに持って来てみると異様な迫力がある。

美味しく完食。しかしどーするんだ、とんかつ。

食べた。不思議なのだけれど、ラーメンととんかつとぜんざいが入る場所は、それぞれ違っているらしい。かくして、とんかつも完食。この時点でたぶん一日の摂取カロリーが5000カロリーくらい行ってたんじゃないだろうか。よく食べた、よく喋った。

恐るべし。私はこの日、また別の会合へと向かい、タラバガニのチーズフォンデュなどというものを食べたのである。その後、なぜかしらず、会合に現われぬ友人を深夜というより早朝という言葉が相応しい時間まで待つという因果に巻き込まれ、どうもそのあたりで睡魔を拾ったらしい。

そんな夜と朝の間の辺りで、生まれて初めて都庁を見た。たぶんそんな変な時間とできごとの狭間だったからだろうな。都庁付近は未来のベルリンみたいだな、というわけのわからん感想が口から零れ出た。そう、夜の新宿は未来のベルリンみたいだった。