金色の夢を見ながら寝ます

ピーカンに晴れた!
外に出なかったら申し訳ないような晴天。青空、白い雲。爽やかな春の風。私も長い散歩に出動。
お目当てはそこら中にあるオリンピックのパビリオンだったのだけれど、Vではこれまで見た事のないくらいの人出で、Vの辻辻が銀座のホコテンみたいになっていた。
パビリオンの前には長蛇の列。この感じだと入口まで辿り着くまでに2時間待ちくらい? というわけで、パビリオンは素通りして聖火台を見に行く。

TVなどで放映している聖火台は建物の上の方やヘリコプターなどから撮影したものなので、クリアな姿でお目見えすることが多いのだろうけれど、実際には針金フェンスで囲まれていて、一般の人は遠くから網目を通して眺めているだけ。軍事基地か、なにかの工事現場みたいな感じで風情いまいち。「見えな〜い!」という苦情が多いので、近々何か対策を取るらしいけど。なんというか、「囚われの聖火」って感じ。もちょっと夢見させて欲しいよな...。

盆と正月と誕生日が一緒に来たような...。そう、今日はオリンピックとバレンタインデーとChinese New Yearが一緒に来た日であり、その上、カナダにとっては自国で開催されたオリンピックでの史上初金メダル獲得日であったので、もう街はものすごいことになっている。丁度、男子モーグルの決勝をやっている時にVダウンタウンの目抜き通り=ロブソン通りを通りがかったら、すごい群衆。皆、路上に仮設されたテレビモニターに見入っていた。そして金メダルが決まった瞬間にはものすごい歓声が響き、国旗を振りながら国歌を歌う人続出。私もあまりの嬉しさにヒッヒッヒアアーギャーとかいう赤ん坊が新しい世界に生まれでる時みたいな歓声を上げて、手を叩き続けた。周りの人もほとんど、この「生まれ声」を発していた。どうやらVはいやC国は新しく生まれでたらしいよ。新しい一頁が開かれたのだ。カンドー。なんででも日の丸日本の私までがそんなにはしゃいでるのだって? それはやっぱり。私もこの国の空気を吸って、生きているのだもの。たくさんお世話になって、優しくしてもらって。そしていつの間にか、この国は誰かの国ではなくて、少しだけ自分の国という感覚が芽生えているのだ。同じような理由で、F犬国、チェコ共和国なども私はついつい応援してしまう。これまでの人生で、ただ通り過ぎるだけではない深い関係を結んだ国々であるらして。とまあ、そんなことはどうでもよい。おめでとうC国。ほんとによかったね。

この金メダルのモーグル選手の滑走、すてきだった。そして、本人はやたらに爽やか。体の不自由な仲良しの兄がいて、二人で勝ち取ったメダル。とってもいい話だ。カナダが待ちに待っていた金メダルに相応しいとびきりの金メダルだった。

今夜はどうやらVは眠りそうにない。C国全土も、どうやら眠りそうにない。もし眠ったとしたら、ちょっとだけいつもより透明な夢を見るだろう。そんな特別に嬉しい、何かが起こった日だったのだ、今日は。私もぼちぼち布団に潜り込み、透明な夢のお裾分けをいただくことにしよう。