城と長屋

ユンケル天使を拝みつつ(拝んでるだけなのに)、朝から快調。久々にコーヒー飲む。カキューン。トマト3号4号5号収穫。2号はまだ冷蔵庫で冬眠中。明日にでも2号〜5号までをまとめて皿に並べよう。植物連は今朝ももの静か。寒いんですV市。トマトやや疲弊気味くたり。小松菜に黄色の菜の花咲く。

ラボにて小さいモノ製作。ノミの頭くらいのものを一日中つつき回す。ほとんど米粒に経文の世界。また今日も世界がグっと小さくなる。指先の直径1センチくらいのところに一日中焦点合わせてたら、その中にやたらデカい世界が見えて来て、その中を旅してた。

え? っと言う間に夕方。一息ついて、バジル入りトマトパスタ。バジルが「摘んで、摘んでえ」と数日前から騒いでたので。そんなに摘まれたいのか。摘み時に摘まないと、どうやら後が成長できないらしい。それにしても植物ってのは本当に不思議だ。(動物も不思議だけど)小松菜なんて、素敵なテラコッタプランターの中で育てられてるヤツらが、間引いた時に勿体ないので適当にその辺にあったゴミみたいなプラ容器に移し替えたヤツらよりも断然ちっこい。プランターのヤツらは、間引いた後それほど変化なし。毎日水もたっぷりあげてるのに。ゴミプラのヤツらは、土なんて申し訳程度にしか入れてないのに、矢鱈目鱈ぐんぐん育って、立派。

過保護がいかんのか、植物にも「ハングリー精神」みたいなものがあるのか、謎。ゴミプラの中の土の方が栄養があったりするんだろうか。プランターのヤツらは横着に「めしくれー」とか言ってるんだろうか。プランターの君たち、今後どうするつもりなの。そのままぬるま湯に浸かり続けるつもりなの? どうもこれからメキメキ育つ気配なし。悔しいが高級肥料でも与えてみようかしら。「うん、デザートも!」って、何なのーその態度。

何が幸いするのか分からない植物の一生。テラコッタ城に住むのが夢だったはずなのに、ゴミプラ長屋に住む運命を辿った彼はこんなに強く逞しくなって、立派な菜に成長。小松菜としての生を十二分に全うして素敵である。テラコッタ城の輩はまだ自分が一体誰なのか分かってない様子で、暢気に自分探しなんかやってやんの。ちろちろお隣のパプリカやパセリを羨ましがったりしながら。そして日々こつこつと成長することなく漫然と消費するのみの日々。だって、居心地いいんだもーん。もーんって言われても困るのだ。変だよ、君たち。もう何週間もそのままってこたあないだろうにさ。どうやら、一度怠惰モードに入ってしまうとモードの切り替えはものすごく難しいらしい。そこまでスポイルされてる君たち。これはいっそモーツァルトを聞かせたり、葉ツボマッサージなんかしたりもして、更に極限までスポイルしてみるしかないか。

雲多し。夕焼けの方向だけ空に隙間があって光。今日は散歩せずに、も一度小さいモノの世界へと潜り込む予定。でも天使様が「疲れ過ぎちゃ駄目よ」と金色のボディーで囁くので、ひと潜りしたらこちらの世界に帰って来てボーっとしよう。V市の夜はまだまだ暮れない。