本日、コケが出ました。

久々にコケた。といっても、事業が失敗したとか、コンクールに落選したとか、そういうのじゃない。ほんまもんのコケ。V市オリンピック村予定地付近で写真撮影してたら、歩道と道路の段差に気づかずに転倒。何しろ日射しが眩しくて、そこら中が真っ白で、まともに目を開けられていられない上に、カメラのファインダー覗いてたから完全にコケた。右足をしたたか捻って、しばし路肩に座る。イテテテテ。左足の膝小僧も擦った模様。ジーンズは破けなかったけど、どうやら中の方で擦り傷が発生してるらしい。周りにいるのは工事現場のおじさんくらい。私の派手なコケに気づいた様子もない。

かなり痛かったので、これは折れたかなと思ったけど、どうやら回復してきたようなので、恐る恐る足を引きずりながら、橋を渡ってV図書館へ。

コケ、転び。これが出たら、黄色信号チカチカだと、昔から心している。あんまり天気がいいんで、ちょっと浮き足立ってたな。ちゃんと地面を見てなかったし。実は転んだ原因の一つは、写真撮影したいものの近くで工事をしてるおじさんたちの視線がちょっと気になって。もしかしたら「撮影禁止!」とか怒られちゃうかなとか、かなり気弱でコソコソっと撮影してたのが良くなかった。やるなら堂々と。怒られたら、それはその時に。ってくらいの心構えでなければ、最初から写真撮影なんてしない方がいいよね、確かに。しかも、撮影してたのは、近所にできた新築のアパート。別に何かイケナイものを撮ってたわけでもない。行動が意味不明なんだよ、そこでコケてる、アナタ。

足下を見つめよ。浮き足立つな。ビクビクするな。周りをよく観察せよ。そんな天の声が聞こえた。っつーか、痛いです、右くるぶし。

さて、このような教訓が出た日は、謙虚に、どこまでも大人しく自己を反省しつつ過ごすのが良いわけだが、こんな日に限って、また何か深い意味がありそうな出来事があったりする。時給が査定されてから初めて、実際にその時給で仕事を依頼したいという奇特な人物が現われたのである。キップがいいではないか。胸がスーっとするではないか。「時給30ドル。V市じゃありえない、ありえない」なんて笑いながらも、私の壮大な夢想に軽いノリでつきあってくれるこうした大人物がいるから、世界は楽しい。仕事はアート関係じゃないんだけど、時給査定以来初めての「他者からの発注」として本日を記憶しておこう。感謝。

足はまだちょっと痛い。コケ、コロビ。人生でこれが出たら一回休み。じっと心の中を顧みる夕暮れ。今日も、それでも、空は高く、世界は眩しすぎるほどの光を放っている。