クリスピー宵

寒いのです。くっきりと。奇麗に晴れた一日だったから、夜はとりわけ寒くなる。エレベーターに犬二匹がおばさん二人を連れて乗っていた。一匹はおばさんに自分を抱かせた毛の長い目のでかいやつ、もう一匹はおばさんに綱を引かせながらこっちに目配せしたプードル。どっちもちっこいが、なかなかのおばさん遣いと見た。

「んもー、指がこんなに冷たくなっちゃった」なんておばさんは思わず愚痴をこぼしつつも、姫が散歩に行きたいと言えば、やっぱり凍った夜のお外に姫を連れ出さねばならぬ。でも、愚痴言いつつも幸せそうなのだ。姫があんまりかわいいもので。プルプルしつつおばさんを見上げる姫。キュート。やるな、姫。

それにしても、足元冷たくないのでしょうか、姫たち。毛があるからといって、寒くないとは限らないと思うのだが。気になる。一度じっくりとその辺の話を聞いてみたいもんだ。

読書の秋、というのにはちょっと冬の匂いが強くなりすぎなクリスピー宵ではあるが、突然、読欲がむくむく沸いて来た。

今夜はこれ。

草枕・二百十日 (角川文庫)

草枕・二百十日 (角川文庫)