SFが古びる時

毎月、リストアップしている映画の中から、DVDが送られて来るレンタルサービスに加入しているのだけれど、時々、リストアップした覚えのないDVDが送られて来ることがある。この前はチャン・ツィイーがチラっとだけ出てる中国のB級アクション映画が届いた時は、ラッコがツィイー見たさにリストアップしたことが発覚。しかし、今回の映画は、誰がなぜリストアップしたのか分からない。

MEMORIES [DVD]

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届いてしまったものは、一応観る。ただ、ここのところ、日本の震災のことがあって、映画なんて観る気に全くなれなかったのだ。

気分転換になるかも、と思って観てみた。
結果としては、あまり気分転換にならなかった。
3つの作品のオムニバス。特に2つめの作品が、なんだか今の日本の状況を彷彿とさせて、(ちょっとコミカルで、なかなか面白くできているアニメなのだけれど)、見ていて辛くなった。

アニメだし、SFだけれど、戦闘シーンとか爆破だとか、そういうイメージは今あまり見たくない。心が傷ついている時だから、いつもなら気にもせず消費している破壊・暴力・戦闘のちょっとした表現が気になる。この映画は、普通の感覚で見たら、別に暴力的でもなんでもないし、むしろそういうものとは別のものを目指して作られたものだと思うけれど。

SFの世界の中だけの話だと思っていたことが現実になった今、SFの描く世界がどうしても古く見えてしまう、という事実も、なんだかとても辛かった。

☆ 如月や旅立つ人と残る人