フツーの田舎における静かな日常

無事大役を終え、ハレの世界からケの世界へと戻ったピヨコ。というか、ピヨコはトラベル終了と共に、ピヨピヨ言いながら地平線の彼方へと消えて行きましたとさ。さすらいの、ピヨコ。また会う日まで。風来坊で当てにならないヤツではあるが、なんだか道中いろいろとメモしていたようなので、今回の過激かつ濃厚かつ財布の中身空っぽ厄落としツアーで学んだことを、たぶんそのうちレポートしてくれるでしょう。

と、日常に戻った私は、日本において今時稀とも言えるザ・フツーの田舎N県N市にてしばし隠遁。こちらも飛脚がいたりいなかったりという環境なので、遅れることでしょう日々の綴り。なんでNがそんなに田舎なのか、などについては、今飛脚が運んでいる模様。

(空白)

...と、届きました、飛脚便。

なんでここがそんなに真っすぐな田舎なのかというと。街にはこれといった観光地も目玉商品もぶらさがっておらず、海外からやって来た人に「すんごくいいところだから〜ここは外すべからず!」と一押しするだけの自信もそれほどないのです。田舎といっても、山野小川が広がっている絵のような田舎ではなく、まあフツーに近代的でもあるのだけれど、かといって都会的洗練はここにはなく。ただ時間がノーメイクでぼーっと立っているっていうか。キュっとファッショナブルではないかもしれないけれど、ほほーんとナチュラル。ぼわぼわっとした素顔の良さがある。フツーの生活が流れている。背伸びする必要もないし。気取る必要もなし。観光客もほとんど見当たらず。エキチカだっても、普段使い仕様。のどか。退屈。なんにもない。でも、毎日の生活はそこにしっかりある。ザイゴっぽいですけど。垢抜けないですけど。でも、なんかホっとする。静かな毎日が、ここにカッコ良くもお洒落でもなく、ポーっとあるのです。今回いろんな所を旅しましたが、ザ・フツーの田舎という点ではこちらかなり得点が高いです。ついつい観光地になっちゃったり、こ洒落ちゃったりするものですが。もちろんこちらもそういうシャープな田舎を目指してもいるわけですが。でもやっぱり、ぼわぼわっ。ノーメイクな時間のユルユルパワーがかなり強いです、こちら。

そのパワーに包まれて、学校帰りの高校生も、OLさんも、会社員も、どこかホっと人間臭い、そんなザ・フツーの田舎がここに生息しているのです。