もしも....

こんな映画観た。

if もしも・・・ [VHS]

if もしも・・・ [VHS]

1968年作のイギリス映画『if....』。Lindsey Anderson監督。主演は『機械仕掛けのオレンジ』で有名なマルコム・マクダウェル。この映画への出演がきっかけで、マルコムはキューブリックに見初められたらしい。

これ、なぜか日本ではDVDも出てないみたいなのだが、名作だよ。いろんな意味で凄い。パブリックスクールを舞台として、イギリス社会を痛烈に風刺した作品で、まさかここまでは...、という驚きの展開なのだけれど、実際にこの映画が公開されたすぐ後くらいに、ヨーロッパの街や大学なんかで、こういう風景が現実になったという1968年。

Occupyムーブメントだとか、脱・原発運動などいろいろあった今年。今の日本にこんな映画を作れる人がいたらなあと思う。痛烈に社会の欺瞞を暴く痛快かつ破壊力のある映画。こういうものが人を世界を変えていく。監督もすごいが、こんなものをつくってしまうプロデューサーもすごいし、脇を固めているカメラマンも骨太だ。そしてマルコムの存在感は圧倒的。反体制が黒いコートを着て爆発寸前で歩いている不敵な魅力。彼なしには、この映画もここまでの起爆力を持てなかったに違いない。

ちなみに題名の...は...じゃなくて....と四つなんだそうだ。
特に意味はないらしいけど。